中学校教師を辞めたこと、後悔はない?

海外移住

 18年も教師をしていたというと、結構いろいろな方から「未練はない?いつかまたやりたい気持ちはある?」と聞かれます。今のところ答えられるとしたら「後悔はないけど未練はある、でもまたやりたいかと聞かれたら当分その気持ちはないかな…」という、結局どっちやねんという感じの回答になってしまいます😅

 中学英語教師をしている人の中には、「毎日授業で英語をアウトプットしているけど全然生きた英語力が身に付かなくて、これで本当に英語教師と言えるのかなぁ😥」「日本の英語教育のカリキュラムがそもそも、話せるようになることを目的としていないように感じる。英語で話すことの楽しさを伝えてあげることが本当に難しいなぁ😭」と思っている人が多いのではないでしょうか。私もまさに、そんな心の葛藤を17年間、抱え続けていました。

 とはいえ、私が教師を辞めた直接の理由は決して「日本の英語教育に疑問を感じたから」などという高尚なものではありません😅 私の場合は単に、長年の無理が祟って身体を壊し、一日に何時間も歩かなければならない仕事を続けることができなくなったからというのが一番の理由です。

 全く経験のない部活動の主顧問を強制的にやらされたり、手のつけられない不良を担任したり、中学生特有の偏った同調圧力の前に教師の指導や思いがちっとも伝わらなかったり、英語教育についての問題を置いておいても中学校教師の過酷さははっきり言って筆舌に尽くしがたいです。それでも、毎日子ども達の屈託のない笑顔に囲まれて過ごすことができるというだけでも素晴らしい仕事だと思います。ましてや子ども達が目標に向かって、ありったけのエネルギーを発揮して努力する姿に心を打たれる、胸が熱くなるといった経験は、他のどの職業でも得られるものではないでしょう。中学校教師の価値とはメリットとデメリットを天秤にかけて量れるものではないのです。身体のことがなければ、『絶対に定年(私の年齢だと定年は65歳)まで勤めあげて教師人生を全うするぞ』と思っていました。さらに私の場合、4年間も非常勤講師として極貧生活を送りながら何回も採用試験を受けてやっとの思いで合格したということや、かなり大変な10年目研修を終えたばかりだったということもあったので、退職を決意するのには相当な覚悟が要りました。なのでいよいよ身体の無理が聞かなくなり辞めるしかないという状況に至った時にはもう、大泣きしましたね…しかしいざ辞めてしまったら、解放感も大きくて結構スッキリしていました。

 現在の仕事は残業を強いられることもほとんどなくオフの時間は仕事のことを一切考える必要もなく、そういう意味では理想的なワークライフバランスを実現できていると思います。海外で生活する、猫を飼うという長年の夢をこの一年で一気に叶えることができ、マレーシアに移住してよかったと心から思っています。ただし、後悔があるかないかということと未練があるかないかと言うことは全く別の話です。教師をしていた頃の自分と今の自分とどちらが自分らしくいられているかと問われれば、それはもちろん、教師の頃の方が子ども達に囲まれて笑い合ったり一喜一憂したりと自分らしく人間らしくいられたと思います。しかし現状で教師に戻りたいかと聞かれると、今は全くそういった意向はありません。その理由については次の記事で述べていきたいと思います。

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