部活動顧問について思っていたこと、今思うこと

海外移住

 今回は海外生活とは関係ない話になりますが、私が中学校教師として在職中にひしひしと感じていた、今だから言えることをお話ししていきます。
 私は学生時代は運動系の部活動に熱心に打ち込んでいたので、教員採用試験に合格したら部活動も絶対に頑張ろうと思っていたし、それが教師として当然のことだと思い込んでいました。しかし正規採用される前の自分には、何故か当然好きな競技の部活動の顧問をやれるというビジョンしかありませんでした😅それが全く経験のない、しかも専門性の高い競技の主顧問を任されたことで、自分はなんて一方向からしか物事が見えていなかったんだろうと打ちのめされました。
 自分の得意な競技の顧問がやれている先生よりも競技初心者でありながら主顧問をしている先生の方がずっと大変に決まっているのに、『ウチの顧問は指導技術が足りない』と影で生徒が文句を言っているのを耳にするたびに、自分が苦労した頃のことを思い出して居た堪れない気持ちになったものです。
 私が日本を離れて1年半になりますが、今でも部活動の廃止を訴える声や顧問就任を任意とするべきといった声をSNSやネット記事などで目にします。『部活動顧問はやりたい教師だけがやれば良い』という案は一見するととても合理的なように感じられますが、私は果たしてそんなに単純な問題だろうかと首を傾げています。そのように感じる理由をこれから述べていきます。
 教師とは、生徒や保護者からの評価・評判が仕事のやりやすさを大きく左右する職業だと思います。学校の様子を直接見ることのできない保護者の目には、部活動に力を入れており大会で結果を出している教師こそ熱意のある教師という風に映りがちです(一概には言えませんが、少なくとも私の教員生活の中ではそう感じました)。『A子先生は本当に部活動頑張っていて立派だって親も言っていた。ウチの顧問のB子先生はちっとも部活に顔出してくれないから、デートでもしてるんじゃないのって皆言ってる😡』なんて生徒がボヤいているのを聞いて、(B子先生はめちゃくちゃ優秀で責任感も強いから膨大な量の仕事を任されて毎日遅くまで、それに休みの日も職員室で仕事してるんだよ😣A子先生は仕事少ないからいつもB子先生より先にさっさと帰ってるんだけどなぁ😥)と内心思ったこともありました。
 顧問をやりたくない先生に強制する位なら任意制にした方がずっといいと思いますが、しかしそれで本当に全ての先生にとって教育活動がストレスなく円滑に行えるようになるのでしょうか。雰囲気的に嫌だと言えないとか、保護者の目を気にしてしまうとか、別の問題が生じる可能性もあるのではないかと思います。
 心身ともに大きく成長する時期の子ども達にこそ自分がこれと思った競技に精一杯打ち込んで欲しいと思うので、部活動そのものは存続されて欲しいと思います。しかし『やりたい教師だけ参加すれば良い』という中途半端な方針をとって部活動を教師の仕事から完全に切り離さないような状態では、『部活動は学校教育の一環である』という世間の概念も完全には消え去らないように思います。そのため私は部活は全面的に外部委託へと移行するべきで、競技指導力の有無に関わらず教師は部活に関与するべきではないと思っています。
 授業・学級経営・部活動以外にも山のようにある仕事を抱えながら日々一生懸命教育活動に携わってくださっている現職の先生方が、今後少しでもストレスなく充実した教師生活を送ることができるよう、海の向こうから応援しております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました